田辺信介さん死去　環境化学・生態毒性学の先駆者　2025年6月30日

環境化学や生態毒性学の先駆的研究に取り組み、地球規模での生態系の化学汚染を実証して警鐘を鳴らしてきた元愛媛大学沿岸環境科学研究センター長の田辺信介（たなべ・しんすけ）特別栄誉教授が、2025年6月30日、病気療養中に死去されました。74歳でした。葬儀は親族により営まれました。

田辺さんは大分県生まれ。1977年に愛媛大学助手となり、ダイオキシンやポリ塩化ビフェニール（PCB）などによる化学物質汚染を研究してきた故・立川涼氏（後に愛媛大学名誉教授、高知大学長）のもとで、残留性有機汚染物質の影響を地球的視点で究明しました。南極や北極圏まで汚染が広がっていることを実証するなど、その成果は国際的にも高く評価されました。1996年には教授に就任し、長年にわたり研究と教育に尽力しました。

ご冥福をお祈りいたします。