北朝鮮で長年にわたり対外的な元首として活動し、3代の最高指導者を支えてきたキム・ヨンナム氏が3日、多臓器不全のため死去しました。97歳でした。
北朝鮮のメディアによりますと、キム氏はかつて最高人民会議常任委員長を務め、対外的な国家元首として日本を含む各国要人との対話の窓口となり、外交の中心的な役割を果たしました。
キム・イルソン(金日成)主席の時代から外務省や朝鮮労働党国際部で要職を歴任し、1983年に外相に就任。1998年には最高人民会議常任委員長となり、キム・ジョンイル(金正日)総書記、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の下で2019年までその地位にありました。
2002年には当時の小泉純一郎首相が史上初の日朝首脳会談のために訪朝した際、空港で出迎えました。また、2018年の平昌オリンピックでは韓国を訪れ、当時の安倍晋三首相とも言葉を交わすなど、南北関係や国際関係の調整役として知られました。
北朝鮮の金正恩総書記は4日未明、党と政府の幹部とともに弔問し、深い哀悼の意を示したと伝えられています。
北朝鮮外交史にその名を刻んだ政治家、キム・ヨンナム氏のご冥福を心よりお祈りいたします。


コメント